「風の波紋」映画監督 小林茂 氏より

2018年8月19日におこなわれた有料上映会でご登壇してくださった、ドキュメンタリー映画『風の波紋』の監督、小林茂氏よりメッセージをいただいました。
No.113「16ミリ試写室だより」(2018年10月15日発行)掲載


生きていればこそ、映画を作られる

映画監督 小林茂

「こんどは横須賀で『風の波紋』を上映しますから、そのときには来てくださいね」と16ミリ試写室のみなさんから声をかけられたのは、江戸川区であった「メイシネマ祭」でした。横須賀から遠路、小さな映画祭にも足を運んでいることに驚いた。

その活動は40年にもおよび、私の初監督作品『こどものそら』も上映してくれていた。
「まだ、あのころは監督をお呼びするなんて考えられなくて。でも、いまは監督にも来ていただいてトークや市民との交流会もしています」と代表の松澤さん。

その機会は暑い8月にやってきた。会場にはスタッフが黒いTシャツをきて、「私たちは黒子でございます」とシャレている。会場はいっぱい。自主映画会の大変さは身に染みているから頭がさがる。

『風の波紋』は東京から越後妻有に移住し、田んぼと茅葺仕事をしている木暮さん夫妻を中心に地元の人々も含めた新たな「結」を描いている。軽トラで1時間くらいの半径の仲間たちが相互扶助している。

上映中は、笑い声があふれた。
アンケートにも「レーザーカラオケの権兵衛さん、最高です!」「本来の自然の一部として生きていく人間の力強い生き方が魅力」「久しぶりに本物に出会った」と好評。「新潟出身です」というアンケートも数枚あり、感慨深い。

私は水俣病の支援者として、土本典昭監督の作品を自主上映してきた。
福祉映画の柳沢壽男監督について10年。『阿賀に生きる』(佐藤真監督)の撮影で独り立ち。『こどものそら』を劇場公開したのは40代半ばである。その後、重症心身障害者の映画『わたしの季節』を作るときには脳梗塞で倒れ、透析も11年になる。それに佐藤真を失い、うつにもなった。映画をあきらめていたときに自分のルーツのような村に出会い『風の波紋』ができた。

最近は、映画をつくるために生きているようだ。現在は「性虐待」をテーマに『魂のきせき』(仮)の撮影中です。


関連のリンク

風の波紋
http://kazenohamon.com

阿賀に生きる

小林茂監督のtwitter

発行「16ミリ試写室だより」No.113

16ミリ試写室だより

16ミリ試写室の会報誌「16ミリ試写室だより」は年4回発行しています。

No.113 2018年10月15日発行「16ミリ試写室だより」

  • お誘い 日本最大の平地林 武蔵野を描く! 映画「武蔵野」と原村監督のトーク
  • 初トライ!ドキュメンタリー映画2本の上映会が終る
  • 映画会情報
  • 素敵なおくりもの〜定期訪問先から〜
  • 夏のボラ市2018に参加
  • 森田惠子監督「まわる映写機めぐる人生」が完成
     上映活動を通して学び続ける私たちが登場
  • 子供シネマスクールに資金カンパ!
  • 生きていればこそ、映画を作られる 映画監督 小林 茂
  • 運営だより 身近で楽しめるコミセン映画会
  • 会員ふれあいメール 函館で競技スキーに明け暮れる
  • 2か所で活動展示
  • その他報告など

報告【16ミリ映画会】横須賀市の花「ハマオモト」

16ミリ試写室主催、ゲストをお招きした「映像とお話」は、年に3回開催しています。

2018年9月12日(水曜日)横須賀市立中央図書館でおこなわれた、「16ミリ映画会」映像とお話は、横須賀市自然・人文博物館 学芸員 山本薫氏をお招きしました。

16ミリ試写室 松澤澄江

タイトルは『横須賀市の花「ハマオモト」』

横須賀市自然・人文博物館 学芸員 山本薫氏

ハマオモト(ハマユウ)の花の成り立ちや特性、天神島臨海自然教育園での研究調査の過程と結果など、映像資料をもとに解説。

ハマオモトの花の開花は一晩だけであること、香りを出す時間帯に決まりがあることやハマオモトに集まるさまざまな昆虫のことなど、初めて知ることばかりでした。

横須賀市自然・人文博物館 学芸員 山本薫氏

次に、山本薫氏のご専門、植物シダのお話。

「男女の出会いにはコストがかかる」

無配生殖型のシダの説明は冒頭より、会場からは笑いがおこったり和やかな雰囲気。難しい染色体の話も、タンポポなどの身近な植物を例にあげながらの、わかりやすいお話。

質疑応答の時間もたくさんの質問に答えていただき、私たちに観察の楽しさを教えてくださいました。

1部:ハマオモトの話
2部:シダの話
3部:横須賀市自然・人文博物館の紹介

すこしあまった時間で急遽、横須賀市自然・人文博物館の創設からこれからの博物館のありかたの可能性と展望のお話。
博物館創設の映像は16ミリ試写室メンバーからも「懐かしいー」との声。

若き学芸員たちに期待!

山本薫さんと16ミリ試写室のメンバー

【16ミリ映画会】横須賀市の花「ハマオモト」

日時:2018年9月12日(水曜日)14:00〜16:00
場所:横須賀市立中央図書館

【16ミリ映画会】映像とお話
横須賀市の花「ハマオモト」に訪れる昆虫

ゲストに横須賀市自然・人文博物館 学芸員 山本薫氏をお招きし、横須賀市の花「ハマオモト(はまゆう)」に訪れる昆虫のお話をおうかがいします。
ハマオモト

16ミリ試写室 活動展示

「映写機まわして42年」16ミリ試写室の活動展示をおこなっています。

場所:横須賀市立市民活動サポートセンター(京急汐入駅から徒歩1分)
期間:2018年8月19日(日曜日)~8月31日(金曜日)

展示の前で設営スタッフ記念撮影

好評につき引き続き、市民活動サポートセンター玄関口のスペースで、16ミリ試写室の活動展示をおこなっています。ぜひお立ち寄りください。
なお、展示期間の最終日は搬出作業(時間未定)となります。

設営風景
8月19日の映画上映会後、会場にかけつけて設営をおこないました。

16ミリ試写室 活動展示

「映写機まわして42年」16ミリ試写室の活動展示をおこなっています。

場所:横須賀市立市民活動サポートセンター(京急汐入駅から徒歩1分)
期間:2018年8月2日(金曜日)~8月16日(木曜日)

展示の前で設営スタッフ記念撮影

発行「16ミリ試写室だより」No.112

16ミリ試写室だより

16ミリ試写室の会報誌「16ミリ試写室だより」は年4回発行しています。

No.112 2018年7月24日発行「16ミリ試写室だより」

  • 「ドキュメンタリー映画と制作者のトーク」迫る!
  • やっとWEBの仲間入り!素敵なホームページを公開
     かっこいい女性たち
  • 映画会情報
  • 日頃の映画会から(報告)
    毎月第2水曜日の「16ミリ映画会」2題
     5月9日「映像とお話」 テーマ横須賀のまつり 講師 山本詔一氏
     7月11日 映画「ガラスのうさぎ」上映
    コミュニティセンター講座の映画会
     7月17日 映画「はやぶさ」上映
  • 伊勢真一監督「やさしくなあに」に出会う
  • 鈴木慶江コンサートのお手伝いと「オペラティック ヒロインズ」の鑑賞
  • 風(No.54)「16ミリ試写会の活動に感謝」元市教育委員会社会教育課長 齋藤稔
  • 運営だより 夏の夜の三笠公園野外映画鑑賞会
  • 会員ふれあいメール 今も忘れ得ぬ戦後のひとこま 古橋康子
  • 研修会 〜操作技術研修と映像の試写〜
  • その他報告など

【野外映画会】ピーター・パン

<三笠公園野外映画鑑賞会>

三笠公園記念艦三笠前広場で毎年夏の夜におこなう人気の映画上映会。
今年の上映作品は「ピーターパン」です。
参加費は無料です。親子で夏休みの夜を楽しんでみませんか。

上映映画:ピーター・パン(1953)日本語吹替

日時:2018年7月21日 (土) 19:00 ~ (約70分) 続きを読む 【野外映画会】ピーター・パン