ドキュメンタリー映画「生きる」上映会を終えて

横須賀文化会館 映画『「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち』の上映にて、遺族・弁護士・映画監督のトーク

例年になく遅い桜吹雪の4月14日、横須賀市文化会館大ホールに、原告遺族・弁護士・映画監督のトークゲスト3人を迎えて、映画「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たちの上映とトークを開催した。

手話通訳
要約筆記

映画「生きる」がHELLO! MOVIE(ハロームービー)対応の作品であったことから、市福祉部障害課のご支援で、PC要約筆記と手話通訳の協力が得られ、初の完全バリアフリー上映会となった。会場には視聴覚障害者はじめその関係者等30人以上の参加もあって、900人ほどの来場者で大賑わい。

ホワイエにてサイン会

映画は、2023年公開、本年1月毎日映画コンクールでドキュメンタリー映画賞受賞の話題作。東日本大震災で津波にのまれた大川小学校では全児童の7割の74人が亡くなった。この惨事を引き起こした事実、理由を知りたいと願った親たちは、理不尽な対応の市と県に国家賠償を求めて提訴。弁護士2人の弁護団で、原告遺族は社会の誹謗中傷はじめ苦難を乗り越え、「画期的」な判決「子どもの最後の場が学校であってはならない」を勝ち取る、10年にわたり闘った親たちの活動や熱き思いを描いていた。上映後、寺田監督の素晴しい司会で、原告遺族で5年生の次女を亡くされた紫桃隆洋さん、斎藤弁護士による震災時の現場様子やそれからの話に聞き入った。

アンケート集計(回答率20%)から、回答者の約80%が女性、約50%がリピーター、山梨、新潟などからの参加もあった。映画とトークともにほぼ100%の回答者が「良かった」と評価。多くが、「津波災害の現状・事実・真実がよく分かった」「諦めず子を思う遺族の親心に感動、共感した」と。そして、弁護士の国家賠償に関する法律の話が分かり易く、日常の避難訓練や災害に対する行政、組織等の取り組み方などを、改めて考えるきっかけとなったという。
今、秋谷在住の来場者が、9月、逗子市でこの「生きる」上映会の開催を企画中だ。ぜひ応援したい。
なお、今回も市内児童養護施設2か所にはチャリティ総額9万円、また場内設置募金箱の96,018円の中、50,000円を「3.11を考える会」に、残額46,018円を日赤をとおし「能登大震災復興支援」に届けた。

開場前にて記念撮影

関連リンク

メッセージエッセイをいただきました。
映画「生きる」の監督、寺田和弘さんより

【有料上映会】ドキュメンタリー映画『「生きる」大川小学校 津波裁判を闘った人たち』上映と遺族・弁護士・映画監督のトーク(2024.4/14)

書籍『水底を掬う ― 大川小学校津波被災事件に学ぶ』著者 河上正二 吉岡和弘 齋藤雅弘

映画『「生きる」大川小学校津波裁判を闘った人たち』