【報告】有料上映会 映画「戦争と青春」と早乙女愛 氏お話

2022年4月16日(土曜日)横須賀市 文化会館大ホールにて、映画「戦争と青春」の上映と、早乙女愛 氏のお話を開催しました。

集合写真

松澤会長の挨拶
映画「戦争と青春」の上映の後、早乙女勝元氏からのメッセージを読む松澤会長

早乙女勝元 氏よりメッセージをお預かりしました。

 この映画会からのお誘いは、さかのぼること2年前。新型コロナウィルスによる延期、延期で、いよいよと思っていたところ、わたくし自身が病に伏せる身となってしまいました。みなさまに直接語りかけることができず、たいへん残念に思います。

 多いときで年間100回以上の講演をこなしてきたわたくしですが、講演をお休みするのは生涯初めてのことです。この映画会をたいへん楽しみにしており、入院中もわたしなりに勉強をしようと準備をしておりました。ところが病院のテレビで、ロシアがウクライナへ侵攻したことを知り、がくぜんとしました。

 上映してくださる映画『戦争と青春』は、1945年3月10日の夜を逃げまどう女性や子どもの姿がリアルに描かれています。当時12歳だったわたくしは、一般民間人の被害を語りつづけて、とうとう90歳になりました。それでも、語り尽くしたとは到底思えません。
それなのに、次の戦争がはじまってしまいました。双方の国は、血みどろの戦いを繰りひろげ、子どもも女性も右往左往して、深刻な状態を引き起こしています。多くの国民が逃げてさまよう姿を、目の前で見ているように感じます。  

 約80年前にも、累々とした死体が東京下町地区を埋め尽くしました。あの日、あのとき、同じ場所で、多くの人々が帰らぬ人となったのです。今起こっている戦争も、80年、いやそれ以上、何世代にもわたって悲しみがつづくことになります。

 かつて、私たちの国で起きた悲惨な光景をけっして忘れず、そして、どの人の命も軽んじられてはならないことを学ぶ。この映画会が、その大事な機会になりますように。

早乙女 勝元



当初ゲストには、原作者である早乙女勝元氏を予定しておりましたが、早乙女勝元 氏が体調を崩され療養中であることから、長女で映像編集者の早乙女愛 氏にお話をしていただくことになりました。

早乙女愛氏お話
勝元氏の著書を紹介する早乙女愛氏

当時の貴重な写真や資料を見ながら、東京大空襲のこと、原作者、早乙女勝元の足跡と、映画「戦争と青春」が作られた時代背景や今井正監督との映画づくり裏話について、また、これからも太平洋戦争で被災された民の声を継承していくことの大切さをお話ししていただきました。最後に勝元氏が長く館長をされた東京大空襲・戦災資料センターのご紹介もあって終りました。会ではこのセンターにチャリティ金額72,450円を送金いたします。

東京大空襲・戦災資料センター 図録

東京大空襲・戦災資料センターのホームページはこちら

また、ウクライナ支援募金箱には、68,351円が集まりました。こちらは、日本赤十字社にウクライナ支援として、5月上旬にお渡しする予定です。