とても暖かなお天気に恵まれた3月4日(日曜日)午後、大スクリーンを備えた大津コミュニティセンター体育室に、映画のナレーターも務める若い纐纈あや監督と191人のお客様を迎えて、標記有料上映会が賑やかに開催された。
映画は「いのちを食べて いのちは生きる」をテーマに、育てた牛を屠畜し肉にして売ってきた大阪府内の精肉店「北出精肉店」の、家族の歴史と日常を追ったドキュメンタリー作品。みな仕事をするのが当たり前の北出家は、いつも楽しく食卓に集う4世代家族。稼業を継ぎ7代目となる主人公たちの心にあるのは被差別部落ゆえの、いわれなき差別を受けてきた父の姿。差別のない社会を願い、家族が仕事に誇りを持ち積極的に学校や地域社会にかかわる姿も、重い内容にもかかわらず爽やかに描かれていた。
ショッキングな屠畜の現場や肉への鮮やかな手さばき、難しい被差別部落のことなど、次々と未知の世界へ誘う映像に引き込まれ、考えさせられた。
纐纈あや監督の講演では、屠畜場の見学会がきっかけで「いのちを食べて いのちは生きる!」に気付き、2、3か月間、連日のように北出精肉店に通って映像化に同意いただいたが、屠畜の映像、被差別部落のことなど多くの課題があったという苦労話は圧巻だ。
温かく美しい映像づくりに努めたという。直立不動で話す監督の熱き思い・諦めない心に誰もが圧倒された。
その後参加者との質疑応答では「戦後、横須賀にも屠畜場があった」と体験者の発言や「イルカ漁」について監督の考えを求めたもの等、時間を超えて大変盛り上がった。
上映会終了後に来場者に呼びかけた監督を囲む交流会では、獣医師、屠畜関係者等熱心な40人ほどが、お茶を飲みながら和やかに意見、情報交換して映画の余韻を楽しみ、長い上映会が終わった。
アンケート集計から回答者の96〜98%が映画、講演ともに「良かった」と。「この料金で良質な映画、講演会、交流会の盛り沢山の内容で大満足」、会には「今後も良質な映画を上映して下さい」のエールに、今回も大きな力をいただいた。ありがたい!
第24回有料上映会
29年度(横須賀市)市民協働推進補助金交付事業(2)
映画「ある精肉店のはなし」上映
纐纈あや(はなぶさ あや)監督の講演
日時:2018年3月4日 13:30〜
会場:横須賀市大津コミュニティセンター
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